オダサガ一人飯アーカイブス 小田急相模原グルメ

おいしいお店の紹介というよりは、オダサガ界隈で毎日の一人飯を失敗したくない方向けの内容です。

★★★★☆ ややしっとり、肉しっかり

大鵬その2 カレーチャーハン





【メニュー】カレーチャーハン
【価格】600円
【特徴】
ご当地グルメウィキペディアで調べてみると、
〜「地域おこし」を目的として地域の名物として売り出される料理である「開発型ご当地グルメ」と、特定の地域のみで自然定着的に浸透し、古くから親しまれているているB級グルメなどの料理などを意味する「老舗型ご当地グルメ」に大別される。
老舗型ご当地グルメは、古くは明治時代から昭和時代初期に起源があるものもあるが、その多くは戦後復興期から高度経済成長期に発祥あるいは定着したもの〜
とある。
神奈川のご当地グルメといえば、第3回B−1グランプリを制した厚木シロコロ・ホルモンが有名だ。他に思い浮かぶものとしては、横須賀海軍カレー、家系ラーメン、サンマーメンといったところか。
名物としてなら、横浜のシューマイ、小田原の蒲鉾・ういろう、湘南のシラス、厚木の豚漬け、鎌倉の鳩サブレあたり。もちろん、神奈川フードバトルinあつぎなどで大量に見かける「開発型ご当地グルメ」や「老舗型ご当地グルメ」の中でも「おたらし」のような極小エリアのものなど他にもいろいろあるだろう。
では、オダサガ周辺などの相模原にそういったご当地グルメはないのだろうか?
そういう話をまったく聞かないのでないのかと思いきや、実はあるんです。気づいていないだけなのです。
厚木のシロコロだってそうだったんです。何十年も前から食べられているのに、厚木市民ならおなじみといったものですらなかったシロコロ。一部の飲兵衛だけが知っていたに過ぎなかったシロコロ。オヤジギャル〜食べ歩きがちょっとしたブームになって、その洗礼を受けたはずの新人類〜団塊世代ジュニアにも発掘されなかったシロコロ。
前置きが長くなった。閑話休題
相模原のご当地B級グルメは果たしてあるのかという話だった。
ズバリ、それはカレーチャーハン!


……………………。


…ピンと来ない…カレー味なんてどこにでもあるといえばあるだろう…チャーハンに限らずカレー味があったとしてそれが特別とは思わない…だいたい味がソーゾーできる…なんならカレーチャーハンの素も売ってる…で?…


たしかに、たしかにカレーチャーハン自体はそんな程度の存在だと思うけど、オダサガ周辺のカレーチャーハン率の高さは地域性アリではないかと・・・。単なる思い過ごしかな、やっぱり。
でも、こんな程度のものでもそれなりに体裁整えたらにわかにそれっぽく見えてくるようになるのでは。手書き風の「見晴らしのいいサガミハラ、カレーチャーハンイラストマップ」なんか作っちゃって、知り合いのマスコミ人に頼んで取り上げてもらえば一丁上がり、神奈川フードバトルinあつぎで銅賞くらいは狙えるんじゃないだろうか?


−−−でもねえ。だいたいソレ(カレーチャーハン)ってアレ(サガミッパラ)特有のものじゃないでしょ。
−いきなり誰なんですか。
−−−岡田です。
−はあ。どうも。たしかに根拠はなかったんだけどやっぱりそうですか?
−−−そらそうよ、だいたいアレ(相模原)に限らず古くさい昔ながらのアレ(中華屋さん)にソレ(カレーチャーハン)ってけっこうあったりするわよね。定番とまではいかないけど。例えば今思いつくところでは、三河島の麺新華とか西荻窪の坂本屋とかね。
−やっぱりそうなのかあ。都内でも昔ながらの店だとカレーチャーハンってあるんだ…相模原でよく見かけたからひょっとして地域性があるのかと思ったんだけどなあ。核となるお店→修業→独立の連鎖で。たしかに、カレーチャーハンの素が売ってる時点で、地域性という可能性はゼロだ…。
−−−そらそうよ。でも、ちょっと待って。たしかに都内や横浜でもソレ(カレーチャーハン)はあるけど、アレ(相模原)ほど密度は濃くないわよねえ。どうしてかしら。
−お、なになに?
−−−つまりぃ、端的に言うとアレ(相模原)ってアレ(昔ながらの中華屋さん)がまだ元気に残ってるとういうことじゃないかしら?
−あ、なるほど。そういう考え方もできるか。だから、地域性というよりは時代性の強い食べ物であるかもしれないカレーチャーハンが相模原にはまだ多く生き残っているかもしれないと?
−−−つまりぃ、まだあったの?みたいな。あくまで仮説よ。都内や横浜だと新陳代謝が激しくて、ソレ(カレーチャーハン)をメニューに掲げていたようなアレ(昔ながらのお店)はどんどん減ってるでしょ。で、代わりにアレ(新しくできる中華のお店)のメニューにソレ(カレーチャーハン)ってまずないわよね。カレー味って要はフレーバーでしょ。今の感覚からすると外食としてはちょっと貧しい味覚なのよね。そのくせチャーハンよりも50円から100円は高いんだから。
−たしかに。
−−−ナポリタンやオムライスに並ぶ昭和的メニューの王様、チキンライスの盛衰と期を同じくする感じよね。
−というと?
−−−時代的には昭和40年前後から昭和50年代ね。みんながちょっと豊かになったこのころのアレ(中華屋さんというか食堂)って、メニューは多ければ多いほどいいみたいなところがあったと思うの。普通のチャーハンだけじゃ芸がないからチャーハンをベースに作ることができるケチャップ味のチキンライスとオムライス、ソレ(カレー味のチャーハン)って感じでメニューを増やす必要性がその時代の外食事情としてあったんじゃないかしら。それにソレ(カレー味)って最大公約数取れるじゃない。
−今はけっこう逆ですよね?あれもこれもあるとどれも中途半端なんじゃないかと思ってしまう。
−−−昔は違ったのよ。デパートの大食堂なんかその典型でしょ。もう今じゃ東京近郊では松坂屋上野店のファミリーレストラン日本橋三越の特別食堂、京王新宿店のお好み食堂、大森のダイシン百貨店くらいじゃないかしら。横浜は全滅、東京タワーの大食堂も年内いっぱいで閉めちゃうし。
すかいらーくでさえなくなっちゃう時代ですもんね。
−−−そらそうよ。昔の外食はねぇ、デパートの食堂には年に何回か三世代で出かけ、近所の食堂にはたまの週末に家族で訪れ、独り者が毎日のように通う、こんな感じだったのよ。このブログみたいにあっちゃこっちゃいろんな店に顔出さないの。食べ歩きなんてのは文化人のすることで。岡田さんちはココ、誰々さんちはココみたいに、決めた店に判で押したように通ったもんよ。その店でいろいろなメニューをいただいたのよ。
−すいませんねえ。で、話の続きだけどチキンライスはまだ頑張ってるけど、メニューの嵩増し的な存在じゃないかと思われるカレーチャーハンなんて今じゃ見る影もないですよね。いったいいつ頃からこうなっちゃったんだろう?
−−−そら、特にバブル崩壊後はそういった高度成長期の昭和的なモノ・価値観というのも同時に崩壊していったわよね。チキンライス、熱海、鳥羽(昭和なお土産館に身が引き締まる思いよ。近くの二見浦のお土産屋も必見)、商店街、地場のデパート、ドライブイン、有田焼の水玉(のお椀、湯のみ、土瓶)、社員旅行、社内運動会、スト、風呂無しアパート(と銭湯)、労音、アイドル(とその親衛隊)、マイウェイおやじなどなど。
−マイウェイおやじだけなんか違う気がする…
−−−なに言ってんの。散々バカにして叩いたからほぼ絶滅しちゃったじゃないの。今や「いるよね、カラオケで必ずマイウェイ歌うおやじが。しかも小指立ててさぁ〜」なんていうちゃかしすら残ってないじゃない。ああいうお約束的な伝統芸能がいかに大切か。ほぼ絶滅した今でもそれを惜しむ声がなかなか聞こえてこないのが嘆かわしいくらい。というか、そのちゃかしすら知らない人がどんどん増え…
−岡田さん、落ち着いて。
−−−そらそうよ、とにかくチキンライスは昭和の懐かしの味として盛り返して今の人でもまだ好きな人が多いけど、平成元年前後あたりは最近チキンライス見なくなってきたねえと言われてたんだから(江本孟紀プロ野球はチキンライスだッ!?』参照)。ましてやソレ(チキンライスの子分みたいだったカレーチャーハン)なんて見向きもされず今に至ってるんじゃないかしら。
−そうか、昭和40年前後に急速にベッドタウン化した相模原のような東京郊外に当時できた食堂には、時代的にチキンライスの子分として大抵カレーチャーハンがあったと。だけど、そういった店はどんどん減ってきていて、しかもカレーチャーハンは懐かしの味という場にも立てずに自然淘汰されている最中だと。
−−−そらそうよ。アレ(郊外)に限らず、まあソレ(高度成長期の時代から営業してる店)ってことね。で、アレ(オダサガ含めた相模原周辺)ってのは、アレ(昔ながらの食堂が今でもそこそこ現役)だから、ソレ(カレーチャーハン)がわりと当時のままいわばデッドストック化されているのかもよ。
−デッドストック…なるほど、もしかしてそういうことなのかも。「老舗型ご当地グルメ」でも「開発型ご当地グルメ」でもない、「デッドストック型ご当地グルメ」。
−−−たぶん、あと10年か20年くらい放っておくとアレ(トキ)みたいに気づいたときにはもう遅いわ。
−デッドストック型ご当地グルメってなんか意味不明だけど、それなりに集積度が高い理由があるような気がしてきました。これからも調査を続けてみます!
−−−頑張って。たぶんなんだけど、丹念に調べたら特にアレ(相模原)に多いとはならないかもね。アレ(上尾、保谷、東村山、船橋)なんかのアレ(相模原)と似たような時代背景を持つところはどこもそうなのかもよ。特にほったらかし度の高いアレ(西武沿線の団地周辺)は大本命かも。
−やる気なくなってきた…





【チャーハン】
パラパラというよりはややしとっり。だが、べチャッとくどいわけじゃない。
【カレー味】
適度。元々、カレーチャーハン自体濃いめのカレー味ではない。薄くもなく濃くもない。
【具】玉ねぎ、ピーマン、肉、玉子
【その他特記事項】
ピーマンが入っているのが珍しい。ドライカレーのノリがあるのかもしれない。肉はチャーシューではなく本格的な中華の肉チャーハンのそれ。全体的にまとまっていておいしかった。
【おしぼり】なし
【給水状況】適切なサーブ
【店内環境】テレビあり 新聞:ニッカン 雰囲気:昔ながらの食堂 格好:割烹着
【店主都合による突然休】なし
【待ち時間】なし
【利用例】週末の昼飯または夕飯
【要望・その他感想】
地域の店らしく、大鵬にはいろいろな情報が入ってくるようだ。
【場所】相模原市新磯野1−19−1 TEL046−254−4633
【営業日・時間】 〜14:00 〜21:00